皆さん、こんにちは！
サセックス大学日本担当官です。
今回は皆様が留学する際に気になると思う留学保険について詳しくお話していきたいと思います。
留学保険とは
留学保険は海外へ留学している学生が現地で負傷したり病気にかかったりした際に、病院で診察してもらう費用を契約先保険会社が負担してくれるサービスです。
イギリスの場合だと、私立病院（Private）に通院する際に適応されると思います。
イギリスで通院する際によくお世話になるのが公立病院（NHS）でしょう。
NHSは国営医療保険制度のことを指しており、Visa申請の際に請求される国民保険料を支払いさえすれば、現地の公立病院であれば留学生でも無料で受診できることが可能なシステムです。
なぜ無料で受けれる公立病院があるのに海外留学保険に入る意味があるのかと言うと、公立病院は無料であるがゆえに色々制限があり、サービスの質はあまり期待できないためです。
具体的に言うと、診察予約をするのに1週間以上かかったり、診察してもらってもウェブサイトに載っている対処法をプリントアウトして渡すだけで※紹介状や処方箋を貰えなかったりなど、正直に言うとあまり当てにできないサービスです。緊急対応もかなり制限があるみたいなので、緊急で治療が必要な場合でもしばらく待つ必要があったりするケースもあるようです。
※イギリスの医療制度は日本の制度と違い、最初に直接専門医に診てもらうことはできません。まず、初めにGeneral Practitioner（GP）と呼ばれる総合診察医との予約・診察があり、そこで専門医との診察が必要であると判断された場合のみ、病状に該当する専門医への紹介状が発行されます。その紹介状を持って、指定された病院に行くと専門医に診察してもらえます。
上記のように、専門医に診察してもらうだけでもステップが多くあり、そもそもGPとの診察予約ですら1週間くらいはかかるため、急ぎの対応を希望する人はなかなか不便すると思います。
ちなみに、GPに登録せずに飛び込みで診察を受け付けている場所も少しばかり存在しますが、長時間待つ必要があるケースがほとんどですので、早急な対応は期待しない方がいいです。
私も一回飛び込みでNHSへ行ったことありますが、たかが10分程度の診察のために3時間くらい待機していました。 待つのが苦手な人でしたら、途中で帰っちゃうかもしれないですね。
留学保険を提供している保険会社はたくさんありますが、会社によって提供しているプランが違うので、詳しいことは各保険会社や保険を提供している留学エージェントの方々に聞いてください。
ここではあくまで保険に関する一般的な内容について書いています。
サセックス大学としては特に指定している留学保険はありませんが、万が一のことも考慮して、※留学生には保険加入を推奨しています。
※保険加入・未加入は任意です
保険のメリット
留学保険のメリットとして挙げられるポイントは、概要で書いた私立病院への通院費用を負担してくれる点ですね。
私立病院は費用が高額であるぶん、対応は圧倒的に早いです。
すぐに診察予約が取れたり、混雑していても少し待っていれば飛び込みでもすぐに診察してくれます。
特に入院が必要なケースだったり、定期的に通院が必要なケースなども保険で解決できるのも良いです。
ちなみに、私立病院の費用はどのくらいかかるのか？と気になる人も多いと思いますが、私の体験談をお話すると風邪の診察だけで1万円以上取られました 笑
風邪の診察一回だけでこれぐらいかかるのですから、定期的な通院や入院となるとかなり費用が掛かるでしょう。
それらの費用を保険でカバーできるので安心できますね。
※注意点としては私立病院で対応できない疾患の場合、NHSでしか治療を受けることができません。
次に歯の治療の費用も保険でカバーできる点もメリットと言えるでしょう。
ご存知かもしれませんが、実はNHSのサービスでは歯の治療は無料で行うことができません。歯科治療は提供していますが、負担金が8割患者負担みたいです。
金額設定も診察内容のレベルで4段階に分けられており、診察などの簡単な処置だとBand 1の約£24（約4000円）ですが、歯冠やブリッジ、歯列矯正などになると約£283（約47000円）の費用が掛かります。
下記NHS公式サイトに細かい金額と治療レベルについて記載されています。
高額な費用に加えて、診察までの流れは通常のNHS診察と同じであるため、歯科医登録→予約→診察まで2～3週間ほど待つ必要があることもザラにあります。もちろん、混雑具合によってはそれ以上待たされる可能性もあるかと思います。
急を要する状況だと、金額を気にせずにPrivateですぐに治療してもらえるのはありがたいですね。
もう一つの大きなメリットとしては、盗難被害補償や私物の紛失補償、損害賠償請求補償、航空遅延補償など色々な被害状況に補償が付いていることも特筆すべきでしょう。
こちらは加入プランによって結構変わってくるかと思いますが、万が一盗難被害や家財を壊して賠償請求に遭ってしまった時でも被害額分を保険が負担してくれます。
PCや財布などの貴重品が盗まれるまたは壊してしまう時に発生する損害負担を自己負担で行うと、大きな金額になるかと思いますが、保険を利用すれば問題ないでしょう。
私財にまつわる損害でも大きな負担になりますが、賃貸住宅や偶発的な事故による被害者からの賠償請求などになると留学費用以上の金額になる可能性も否定できません。
上記損害に加えて、航空遅延や手荷物による損害もカバーしてくれる点も魅力的ですね。
航空遅延などは思っている以上によく発生するので、留学中にイギリス近辺のヨーロッパ諸国へ旅行したいと思っている方は航空遅延補償を利用をする頻度は他の保険適用ケースよりも比較的高いかと思います。（実際のところ格安航空はかなり遅延が多いですし）
突然の欠航や大幅な遅延が起こった時に航空費用だけでなく、ホテルの滞在費・食費など遅延により生じた損失もある程度負担してくれることが多いです。
保険のデメリット
デメリットを挙げるのであれば、真っ先に思いつくのが加入にかかる費用でしょう。
長期留学となれば基本的に2～3万円ほどで済むようなものではありませんし、プランによってはかなり高額になることもあります。
保険は加入していても使う機会が無ければ、お金を無駄にしてしまうだけです。
自分も最初の1年間は保険に加入していましたが、その1年で保険を利用する機会は2回くらいしかなく、どちらも通院費用だったためあまり有益性を実感できなかったです。
計2万円弱かかった2回分の通院費よりも1年間の留学保険に加入するほうが金額的に高額ですからね。
もし盗難や事故などに逢っていれば保険の恩恵を十分に受けることができたと思いますが、自分はどちらも今まで一度も被害に遭った経験はないので、正直、盗難補償などのオプションは要らなかったな～と言った印象でした。
その次に挙げられるデメリットとしては、留学保険を利用できるかどうかのケースを判断する必要があることでしょうか。
各保険会社のプランによって大きく違いがあるかと思いますので詳細は控えますが、例えば、同じ治療費が発生するケースでも、ケースⒶであれば負担金額を補償可能だが、一方のケースⒷの場合だと補償不可、と言った感じで補償金が下りるかどうかは結局のところケースバイケースになってきます。
コンタクトレンズ矯正のための診察や整体医院の診察は保険適応外とか分かりやすいと思います。
もちろん、保険会社によって適応範囲は違うと思いますが、このような適応可能・不可の明確な線引きゆえ、意外と小回りが利かないのが難点なんですよね。
どんな時・どんな状況でも必ず補償対応してくれるわけではないので、契約の際に内容をよく確認しましょう。
私的にはコンタクトレンズの矯正に保険を利用できたら、保険に対する評価は上がるんですけどね・・・
まとめ
以上、海外留学保険に関する簡単な特徴を挙げてみました！
自身の体験談に基づいた上での個人的な感想としては、留学保険はあればいざという時に便利だが、実際のところそこまで使う機会も多くなかったという感じですかね～
私自身、5年間ほどイギリスに滞在していましたが、大きな事故や犯罪に巻き込まれたことはありませんし、盗難被害にも逢った事がありませんでした。
留学保険へ加入する上でよく話題になる現地での歯科医に関しても、一度も利用したことはなかったです。
※歯科治療の費用が高額なのは既に知っていたので、帰国するたびに日本の歯科医で定期的に検査を受けていました
強気な事を言いつつも、やはり初めて長期間何も知らない海外で暮らすとなれば最初は結構不安だったので、最初の1年間だけは留学保険に加入していましたけどね 笑
その一年以降は特に保険を活用する機会がないと判断したため、残りの4年間は未加入のまま過ごしましたが、全く問題ありませんでした。
結局のところ、自分はたまたま被害に遭わなかっただけなのかもしれませんが・・・
私の周りだと、他国の留学生が路上で強盗に遭い、財布とVISAを強奪されたこともありましたからね。
悩ましいところではありますが、体調を崩しやすい方、ケガしやすい方、持病があって頻繁に通院する必要がある方などは入っておいたほうが良いと思いますし、初めて海外留学する方も現地での生活でも精神的に安心できると言う理由で加入しておいた方がいいのではないでしょうか。
逆に、異国の地での生活に全く不安も心配もない！と言う方や病気にほとんどかからない丈夫な体をお持ちの方、トラブルに巻き込まれても自力で解決できる方、※貴重品を盗まれたり・壊されたりするリスクを容認できる方であれば、留学保険の必要性は薄いかな～と思います。
※被害に遭っても、運が悪かったで済ませられる人
最後にもう一度述べておきますが、大学の方針としては留学生へ保険の加入を推奨していますし、もし万が一何か大事が起こった時に保険未加入で大きな金銭的被害に遭っても、大学も私も一切責任は取りませんので悪しからず。
最終的には自己判断になりますが、留学前の保険加入についてどうしよっかな～と迷っている方々に対して本稿が少しでもお役に立てれば幸いです。
今週はここまで！
