Idée Capricieuses ~元イギリス大学日本担当官の気まぐれブログ~

元イギリス大学日本担当官のブログです。 イギリス留学やサセックス大学、大学のある街ブライトン、趣味であるHR/HMや留学中に体験した奇妙な経験など思いついたことを気まぐれのままに書いていくブログです。

ロック/メタル好きは必見~ロンドンにある魅惑の街カムデンについて~

皆さん、こんにちは!

サセックス大学日本担当官です。

今日はイギリスのロンドンにある街Camden(カムデン)ついてお話していきたいと思います。

なぜCamdem?

この記事を見ている方の一部は、"なぜCamdemをピックアップしたのか?"と思われる人達がいらっしゃるかもしれません。

ロンドンの観光地として有名どころと言えば、ビッグベンだったり、バッキンガム宮殿だったり、タワーブリッジなどありますが、あえてCamdemを選んだ理由としては、一般的にロンドン観光と検索すると上記のようなメジャーな観光地は必ずヒットするのが大きな理由です。

正直な話、上記のような有名な観光地は大手の旅行サイトから充分情報収集できますので、わざわざこのブログで書き綴っても、それを目的にして読む人はほとんどいないだろうと思っています・・・

(書くネタが無くなったら、なりふり構わず記事にするかもしれませんが 笑)

あまり知られていないニッチな情報こそマイナーブログにふさわしいと思っているので、私の視点から見たCamdenの魅力についてお話していきます。

概要

Camden Town(カムデン・タウン)とは、ロンドン中心地より少し北にある街です。

独創的なアートやロック/ヘヴィメタル系のお店などサブカルチャーが盛んな活気あふれる街です。

ロック・ゴス系ファッションのお店やタトゥーショップなどコアなお店が多いエリアでして、イギリスの高貴なイメージとは反して、とてもリベラルな街と言えます。

かつては反体制運動が盛んに行われた場所でもあるので、パンクロック的精神が今でも街の雰囲気として醸し出しています。

雰囲気的にはちょっとブライトンに近い感じと思います。

主な観光地としてはCamden MarketやCamden High Streetなどが挙げられ、休日はたくさんの人で活気に満ち溢れます。

ロンドン中心からのアクセス性もかなり良いので、ブラっと立ち寄ることができます。

古着や掘り出し物を販売しているお店が多い事でも有名です。そして、高級ブランドのパチモンもよく売ってますね 笑

"Camden”とネットで検索すれば一般的な観光情報は結構出てきますから、詳細まで深く書くつもりはないです。

このブログでは私がロック/ヘヴィメタルに傾倒しているからこそ、普通に検索してもなかなか出てこないような情報を実体験と交えて、書いていきたいと思います。

一応、ちゃんとした観光地も触る程度には紹介しておきますのでご安心ください 笑

Camden Market

Camden Market
Camden Market

まず、最初にご紹介するのがCamden Marketです。

Regent's Canalと呼ばれる運河周辺にある大きなマーケットがCamden Marketです。

4つのエリアで構成されており、ヴィンテージの衣類やアクセサリー、ジュエリー、お土産など様々な商品が売られているのでショッピングを楽しむ場所ですね。

ロック/ヘヴィメタル系アパレルショップがありますし、中古レコードショップもいくつかあるので、音楽が好きな人は行ってみてはいかがでしょうか!

マーケット内にはレストランや屋台もたくさんあります。アジアからヨーロッパ、中東、地中海など世界各国の料理を楽しむ事ができるので、休憩がてらに寄ってみるのも良いでしょう。

テイクアウトがメインのお店が豊富ですので、テイクアウトで食べ物を購入してから、外で食べることもできます。

www.camdenmarket.com

Camden High Street

High Street in Camden
High Street

続いてご紹介するのはCamden High Streetです。

Camden Town駅から出てすぐ隣にある道なのですが、個性的な外観を持つお店がズラリと並んでいるので、初めて行く方でも一発でわかります 笑

特徴的な3Dの看板が目に入るHigh Streetでは、衣料品店や革製品店などのアパマンショップが立ち並んでいます。

ゴス系やロックファッションが売られている店がそこそこ存在するので、そういうファッションに興味のある人は満足できると思います!

(残念ながら、サセックス大学のある街ブライトンにはそういうお店が少ないんですよ)

House of Leatherと言うお店では革製品を専門にしており、ジャケット、靴、パンツなど多種多様な革製品を取り揃えています。

この飛行機がHouse of Leatherの目印です

有名な革製品のお店らしく、ロック/ヘヴィメタルミュージシャンだと、Guns and RosesのSlashやMichael Schenkerも度々買いに来るらしいですよ。

店内に著名なアーティストと一緒に撮影した写真がいくつかありました。

私もお店に行ったことがあるのですが、店員の一人がなんとJudas Priestの現ギタリストRitchie Folknerの古い友人らしくて、お互いに仲が良く頻繁に会っているとお話を伺うことができました。実際にツーショットの写真をいくつか見せてもらいましたが、マジだったのでビックリしましたね 笑

ライダース・ロック系ファッションが好きな人はぜひ訪れてみてください!

後述するライブ会場に近いので、開演前のちょっとした時間潰しとしても有用です。笑

Round House

Round House in Camden
Round House

Round HouseはCamdenで最も有名なライブ会場です。

ロック/メタルのみならず、有名なバンド/アーティストがよくライブ公演を行っています。

特に70年代のバンドであれば、Led Zeppelin, The Rolling Stones, Elton John, Black Sabbath, Jimi Hendrix, Pink Floydなどの大御所たちが公演を開いたことがあるようなとても歴史あるライブ会場です。

元々は、鉄道会社の機関車格納庫として利用されていましたが、1964年にコンサートなどの劇場として使用されるようになった模様です。

Roundhouse (venue) - Wikipedia

実はRound Houseはイギリス指定建造物として認定されており、建築物としての観点から見ても高く評価されています。なかなか興味深いですね。

最寄りの地下鉄駅であるCamden Townから徒歩約10分くらいで行くことができるので利便性が良いです。

当時はイギリス国内で2番目に大きいと呼ばれるLondon The O2 ArenaやWembley Stadiumがライブ会場として使用されていなかったため、当時としては最大級のサイズを誇るRound Houseが選ばれた理由もあるかと思います。

※当時Wembleyはコンサート会場ではなく、屋内競技場でした

Round Houseの収容人数は最大1700人ほどと大きめです。内装も特徴的でして、ちょっと昔のシアターみたいな雰囲気が残っています。

大きめの会場なので世界的に有名なバンドもよくライブ公演を開いてます。

筆者はRound HouseでEuropeを見ました。

2016年11月12日 Europe

Europeを見た当時はThe Final Countdown 30周年記念ライブツアーでして、自分が参加したライブがのちに公式ライブ音源としてDVDで発売されたときは嬉しかったです。↓

www.hmv.co.jp

自分が参加したライブ公演が音源としてオフィシャルで販売されるとなんか嬉しいですよね~より鮮明に記憶に残っていて思入れ深くなります。

ちょっとした思い出話になりますが、初めて留学した1年生のとき自分は上手く英語が喋れずちょっとギクシャクしていたところ、現地のイギリス人学生や留学生と仲良くなるきっかけになったのが、このThe Final Countdownの曲なんです(拙い英語を交えながら、イントロのメロディを口ずさむだけでした。)

出身国を問わず、10代の学生から50代くらいの教授までほぼ皆が知っているこの名曲のおかげで(特にイントロ)、当時20歳の私の心は救われたと言っても過言ではありません。というわけで長々となりましたが、URL貼っておきますのでどうぞ!

youtu.be

(化粧が濃いのは時代ですね 笑)

さすがにIron MaidenやZZ Top、Deep Purple、Kiss、Metalica、Muse、Coldplayなどの大御所クラスになると、Round Houseでは小さすぎるので公演が開かれる可能性はほとんどないと言えますが、EmperorやThe Sisters of Mercy、In Flames、Stone Sour、Pixies、Machine Head辺りの各ジャンルの有名バンドであれば2018~2019年辺りにライブ公演を行っていた様子です。

これらの情報は↓の"Setlist fm"で確認できます。興味のある方は自分の好きなアーティストについて検索してみると良いでしょう。

www.setlist.fm

ちょっとややこしいですが、ロンドンにはO2 Brixton AcademyやO2 The Forumなど、O2と名の付くコンサート会場が複数あります。

ここでお話しているのはO2 London Arenaなので、ライブに行かれる方は間違えないようにしましょう!

補足ですが、大御所バンドの場合、ライブ公演がUK ツアーとして巡行されるのであれば、いくつかの公演は小さめの会場で公演が行われることがあります。Manchester、London辺りだとO2 ArenaやWembley/Manchester Arenaが定石ですが、他の街だと小さい会場になると言った感じです。

一方、ワールドツアーの一環でイギリス国内で公演する場合、だいたいロンドンのO2 ArenaまたはWembleyのどちらかになるかと思います。ご参考までに。

地方での公演のほうが人が少なく、ステージ前方へ行きやすいので間近で写真を撮りたい人は地方公演がおすすめです!

The Underworld

最後に紹介するのは、小規模ライブハウスThe Underworldです。

地下鉄のCamden Townの出口の真正面にあり、アクセス性は完璧です。

ここの特徴としては、ハードロック/ヘヴィメタルのマイナーバンドがよくライブ公演の際に使用します。

以前の記事でもお話しましたが、イギリス自体、ロック/メタル系バンドのフルライブ公演が非常に多く、マイナーバンド達がロンドンで公演を開くときはだいたいこのThe Underworldで行われます。

該当記事は↓です。

kkm10m.hatenablog.com

大御所や超メジャーバンドになると前述したRound HouseやThe O2や収容人数約90000人という最大サイズのWembley Stadiumなどが会場として指定されますが、メジャーではないバンドはThe Underworldが多いです。

筆者はThe Underworldだと、Vandenberg's MoonkingsとAngraのライブに行った記憶があります。

日本ではAngraはかなり人気のあるバンドですが、イギリスではそこまで人気は無いようです。一般的にイギリスではメロディック・スピード・メタル系のバンドはあまり人気がないんですよね~

ちなみに全くCamdenと関係ないですが、2chの創設者で、近年メディアにもよく出ているひろゆきさんが初めて買ったCDがAngraの1stアルバム"Angels Cry"らしいです。

最近は全然聴かないけど、昔はよく聞いてた1枚です。クラシック音楽の要素が濃いめなこの作品は名盤ですね。
Angraはブラジルのメロディックスピードメタルバンドです。

地下がライブ会場となっており、収容人数は約500名くらいの会場なので、簡単にミュージシャンの目の前で写真を取れます!

最大収容人数500人と聞くと多く聞こえますが、そもそもVandenbergくらいだと全部埋まる事は9.5割で有り得ないこと断言できます・・・

日本だとVandenbergなどのマイナーなバンドは音楽フェスでちょろっと演奏するくらいで終わってしまうのですが、イギリスでは約1時間30分のフルライブで見れる+間近から写真を取れるんですから、素晴らしいですね!

(途中で抜け出しても再度ミュージシャンの目の前までスッと行けて余裕で写真撮り放題な点を考慮すると、どのくらいの集客だったについてはお察しください・・・)

個人的な感想ですが、この時のライブは多分100名くらいしかいなかったと思います。100名いたかも怪しいレベルです。

左:2018年2月18日 Vandenberg′s Moonkings、右:2018年4月17日 Angra

2022年11月現在、公式ウェブサイトを見る限り、Marco MendozaのソロライブやAlcatrazz、Dream Evil、Freedom Call、Twilight Forceが公演を予定している模様です。

www.theunderworldcamden.co.uk

Marco MendozaのソロライブやFreedom Callの公演を見れるなんて、さすがイギリスっていう感じですね~笑

※Marco Mendozaとはハードロック/ヘヴィメタル系ベーシスト。Whitesnake・Blue Murder・Thin Lizzyなどに参加した経歴がある

ロック/ヘヴィメタルが好きな人ならわかっていただけるかと思いますが、上記で挙げたThe Underworldでライブ公演予定のバンド達は断じて世界的メジャーなバンドではないでしょう。書いててファンとして悲しくなってきますが・・・

(Yngwie MalmsteenとSteve Vaiの現在の知名度のおかげでAlcatrazzもギリギリ有名か?と言えるかもしれませんが、実際のところ上記2人のギタリストは知っていても、Alcatrazzを知らない人もたくさんいますから何とも言えないです)

失礼な話ではありますが、ちゃんと集客できるかどうかわからないアーティストたちにも快くライブ会場を貸してくれるThe Underworldはまさにロック/ヘヴィメタル界のオアシスであり救世主と言えるでしょう。

あと、やたらHR/HM系トリビュートバンドのライブが多いのも印象的です 笑

嗚呼、ハードロック/ヘヴィメタルは今後どうなっていくのか?と不安が頭をよぎりますが、The Underworldがある限り、イギリス国内でのハードロック/ヘヴィメタル存続に貢献してくれることでしょう!

今週はここまで。

他にもコアなお店がいくつかありましたが、全部書き出すと止まらないのでこの辺で終わりにしておきます!

ではまた来週