Idée Capricieuses ~元イギリス大学日本担当官の気まぐれブログ~

元イギリス大学日本担当官のブログです。 イギリス留学やサセックス大学、大学のある街ブライトン、趣味であるHR/HMや留学中に体験した奇妙な経験など思いついたことを気まぐれのままに書いていくブログです。

サセックス大学の学生が作曲した音楽を真剣にレビューしてみる~その②~

皆さん、こんにちは!

サセックス大学日本担当官です。

今日は前回の続きとして、サセックス大学の学生・卒業生が作曲した音楽のレビューパート②に関してお話していきたいと思います

前回は1~8曲までレビューしたので、今回は9曲目~16曲目までレビューしていきます。

前回のレビューを未読の方はぜひ併せてご一読ください。

kkm10m.hatenablog.com

まあ、結局のところ、音楽は聴き手によって色々感じ方が変わってきますので、様々な意見があるかと思います。

あくまで一人のリスナーとして感想程度で読んで頂ければ幸いです!

下記URLからサセックス大学の学生が作曲した曲が聴けます。興味があれば、ぜひ視聴してみてください。

open.spotify.com

9曲目:Cold Air:Spikemyheart, Flux Rose

パート②で最初にレビューするのは、SpikemyheartとFlux RoseからリリースされたCold Airです。

本楽曲はソフトなメロディーラインが特徴的なポップスと言ったところですかね。

前回レビューしたポップスの楽曲と比較すると、こっちの方がボーカルラインのメロディーがしっかりしている印象を受けました。

ボーカルの歌唱方法はつんざくこともなければ、けだるい感じもしないとても優しい歌い方です。前回のFilesとは対照的です。

今作と前回レビューした2曲は各楽曲ともに違いはあるのですが、この手の分野に対する知識が限定的なため、うまく言語として違いを説明できないのがなんとも口惜しいです・・・

私もまだまだ修行が足りぬという事ですね。

10曲目:Dagobah:Burland

10曲目はアーティスト名BurlandによるDagobahです。

珍しく、本作は※インストゥルメンタル系の曲です。

※インストゥルメンタル曲とはボーカルが無い楽曲を指します。

イントロはアラビア要素のオリエンタルな雰囲気から始まり、しばらくしてからWooooowというシャウトが入ります。

そのシャウトの後、パーカッションが入ってきて、民族音楽的リズムとビートが続いていくと言った感じです。

そのパーカッションですが、中盤から終盤までずっとポコポコ鳴っており、時々合いの手や笑い声が入ってくると言う、文章で説明すると非常に奇妙な曲です 笑

実験音楽?というべきなのかもしれませんが、実験音楽によくみられる難解さ・複雑さはなく非常にシンプルです。

ボーカル?みたいなパートもほんの少しだけ入っているので完全なインストゥルメンタル曲に該当するかと言われると怪しいところです・・・

正直、こういう音楽は何のカテゴリーに当てはまるのかよくわからないので、識者の方はぜひご教授いただけますと助かります。

私から言えることとしては、一般的に認知されている音楽とは全く違う異色の楽曲ですね。

これはこれでなかなか攻めた前衛的な音楽だと思います。この攻めの姿勢は面白いですね。収録時間が約3分と短めな点も聴きやすくて良いです。

11曲目:Stuck Between:Dutch Criminal Record

続きまして、11曲目はDutch Criminal RecordからStuck Betweenです。

楽曲はポップパンク系です。Green Day(グリーン・デイ)、Sum 41(サム・フォーティーワン)・The Offspring(ジ・オフスプリング)に近いイメージと捉えていただければ良いです。

曲も2分44秒と短い上に、メロディアスかつスピーディーでノリの良い本曲はサセックス大学の学生が作曲したSpotifyリスト上の楽曲群で最も聴きやすく、ロックを聴かない人でも聴けるくらいキャッチーな万人受けするロックチューンだと思います。

前半の静かめなパートから徐々に盛りあがっていき、サビで弾ける展開は王道ですが、この王道がリスナーの高揚感を煽ってくれてとても良いです。

前半パートのアレンジの仕方が結構好きですね。若干だが、南国っぽい明るさもあり耳に馴染みます。

それと、曲中にちゃんとギターソロパートが入っているのも好印象です。

何気にここまでレビューした楽曲にはギターソロが全く存在していなかったので、初めて聴いた時はとても新鮮に感じました 笑

このギターソロですが、メロディアスでハードロック・ヘヴィメタルを好む筆者も楽しめました。

正直な話、このギターソロは曲のバッキングをほぼそのまま引用して弾いているだけではありますが、このメロディー自体の完成度が高いので全く問題ないです。

むしろ、近年のYJMさんみたいに手癖で弾きまくった構築も何もないギターソロに比べると、こっちは聴いていて心地よいです。

ちなみに、レコーディングの音質に関しても、駆け出しレベル(失礼だが)のこのバンドが作った楽曲の方がクリーンなので、YJMさんは音質面でも負けてます。笑

40年近くもプロミュージシャンとして活動している彼の作品が宅録レベルの音質なのは一体なぜ!?

このストレートなわかりやすさとメロディアスさは好みなので、前回のアーティスト達に加えて、これもお気に入りに加えました。

12曲目:Terrarium:Robinson's Village

12曲目はRobinson's VillageからTerrariumです。

10曲目のDagobah(通称:ポコポコパーカッション)以来のインストゥルメンタル曲となっています。

ただし、あの曲とは方向性が全く異なっており、本作はシンセサイザーをベースとした宇宙的・神秘的なサウンドとなっています。

宇宙的なサウンドと後半のフワフワ鳴っているシンセサイザーが浮遊感をよく表現しており、癒しになります。

物静かな楽曲なので寝る前に聴くとピッタリですね。

ただ、曲全体にほとんど起伏が無い上に、特徴的なメロディーもなく、収録時間が約6分とまあまあ長いため、人によっては途中で中だるみしてスキップしやすい曲かと思います。

通常であれば、6分はそこまで長く感じませんが、この手の音楽での6分は人を選ぶだろうな~と言うのが私が感じた印象です。

13曲目:Florlence:Lee Westwood, Riot Ensemble

13曲目はLee Westwood, Riot Ensembleによる共作楽曲のFlorlenceです。

収録時間約12分という超大作ですね。学生リリースした曲がこのような大曲とは恐れ入りますね。

多分、再生時間を見ただけでスキップしてしまう人もいると思いますが、ぜひ一度は聴いてほしいところです。

(Rainbowのライブ版MistreatedやHelloweenのKeeper of the Seven Keysを聴ける人にとっては問題ないでしょう)

さて、肝心の楽曲はというと、実験音楽・サウンドトラック要素が強めなインストゥルメンタル楽曲となっています。

まさかレビューその②の本稿で3曲もインストゥルメンタル曲が出てくるとは思いませんでしたよ 笑

映画のサウンドトラックという感じで、メロディー主体の楽曲ではなく、あくまで雰囲気主体です。

フルートなどの木管楽器やピアノ、バイオリンの音が入り混じった本曲は怪しげな雰囲気を醸し出しています。

某魔法学校の禁じられた森チックな怪しげな雰囲気を音だけで表現するのは難しい事だと思いますが、いい感じに表現しているな~と印象に残りました。

バイオリンやピアノ等のクラシック音楽で主に使用される楽器のみを使用しており、クラシック要素も少し混ざっています。

しかし、バッハやヴィバルディ、ベートーヴェンのような数多くのクラシック音楽作曲家たちが生み出した大作と違って、本作には耳を奪われるようなメロディー・旋律がなく、何度も聴くのは正直キツイと言わざるを得ません。

聴いている限り、本作は※インプロビゼーション中心の楽曲であるため、実際のところは環境音楽みたいな立ち位置だと思います。

※インプロビゼーション(Improvisation)とは即興音楽という意味。型にとらわれず自由に思うままに作り上げる、作り上げていく動きや演奏、またその手法のこと。

環境音楽が好きな人であれば聴きこめるのかもしれませんが、残念ながら、筆者は環境音楽は好みではないのでハマることができませんでした。この辺は聴き手の好みの問題でしょう。

14曲目:Life Time:CHOP CHOP

14曲目はCHOP CHOPからLife Timeです。

曲はRed Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)やRage Against The Machine(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)の面影を少しだけ感じさせるファンク系ロックと言ったところでしょうか?

両者に共通するハードさやグルーブ感はないですし、Rage Against The Machineみたいなユニークなギターサウンドもないです。楽曲もストレートなロックと言うよりは、実験音楽っぽさやプログレッシブっぽさのほうが強いです。

何かを語っているような歌メロも印象的ですね。途中で怪しげな雰囲気な展開へ変わったり、試行錯誤しようとしているのが見受けられます。

ボーカルの訛りが個性としてバンドの存在感を強烈にアピールしてます。

その一方で、このボーカルのおかげで本楽曲にとんでもないB級感を吹き込んでいるのもまた事実です 笑

妙に胡散臭い雰囲気が漂う本作はなかなかインパクトのある音楽ですね。怪作と言えます。

これを個性として捉えるか?欠点として捉えるか?は聴き手次第でしょう。皆さんはどう思いますかね?

シンプルなリフと独特な展開、珍妙なボーカルがミックスされた興味深い曲でした。

15曲目:Kaleidoscope:Tides

15曲目はTidesからKaleidoscopeと言う名の曲です。

本作はシンセサイザーを多用したポップソングです。

最初に聴いた時には、イントロのシンセサイザーの古臭さに衝撃を受け、思わず”80年代かよ!”とツッコんでしまいましたが、昔のシティポップを思い出させてくれる良曲です。

聴いているうちにだんだんとシンセサイザーが奏でるメロディーが癖になりますし、サビも良いメロディーです。

ボーカルもシャウトやがなり立てることもない安定した優しい声です。

しっとりとした雰囲気は洋楽初心者にも聴きやすくていいですね。

歌い方やシンセサイザーを多用した楽曲を聴く限り、アメリカのロックバンド”The Killers”(ザ・キラーズ)から影響を受けているのではないかと推測します。

あと、思いついたのがポップ寄りになった時のThe Horrors(ザ・ホラーズ)っぽいですね。

筆者にとって上記のバンドは好きな部類の一つであり、80年代ポップスも好んで聴くため、この音楽性はドンピシャで好きです。

ただし、これらのバンドよりも更にロックサウンドを排除した音楽となっていますので、ロック音楽として聴くのではなく、ポップソングとして聴くべきとお伝えしておきます。

加えて、80年代ポップ音楽のテイストがも色濃いバンドなので、Roxette(ロクセット)とかWham!(ワム)、Mike Oldfield(マイク・オールドフィールド)などが好きな人にもおススメできます。

このSpotifyリストには載っていない”The Sun”という曲も80年代ポップソングみたいな曲なので、この曲を気に入った方はぜひこちらも一度ご視聴ください。

このTidesですが、2021年に2枚のシングルを発表したばかりに駆け出しアーティストのようです。

彼らもお気に入りの一つとして登録したので、今後の活動に期待です。

PS: その後このKaleidoscopeを繰り返し聴いていたら、唐突にRay Kennedy(レイ・ケネディー)と言うアーティストを思い出したので、下記に貼っておきます。都会の大人っぽい雰囲気が共通しているからですかね?

youtu.be

16曲目:I Drew My Ship:Elle Osborne

本稿で最後にレビューするのが、Elle Osborneからの楽曲 ”I Drew My Ship”です。

Elle Osborneと言う名前を見て、てっきりOzzy Osbouneファミリーの一人かと思った人いるはず! 私もその一人ですからね 笑 よく見ると名前のスペリングが違うのでOzzyとは無関係ですが・・・

そんな雑談は置いておいて、本作のレビューですが、アメリカンなカントリー曲です。

カントリーと言っても、初期Taylor Swiftのようなバンジョー・アコースティックギター・ピアノを中心とした楽曲とは違いますし、ポップスとカントリーを絶妙に融合させたキャッチーさ・聴きやすさも本作では見られないです。

現代のカントリーミュージシャンと言えば、Carrie Underwood(キャリー・アンダーウッド)もいますが、あのような派手さやロック的バイブスはないです。

むしろ、Hank Williams(ハンク・ウィリアムズ)みたいな昔のカントリー寄りの曲です。

重厚感とゆったりとした曲調に素朴な女性ボーカルが乗っている素晴らしい作品です。

乾いたサウンドとストリングスやハーモニカが混ざった壮大な雰囲気がアメリカの広大な土地を連想させてくれます。

これを聴いていると、Elvis Presley(エルビス・プレスリー)とManowar(マノウォー)がカバーしたことで有名なカントリーの名曲”An American Trilogy”(原曲:Mickey Newbury)を思い出させてくれました。

youtu.be

I Drew My ShipとAn American Trilogyのどちらも、まさにアメリカって感じがして良いですね!

まとめ

以上、サセックス大学の学生が作曲した音楽を真剣にレビューしてみる~その②~でした!

今回はSpotifyリスト上の9曲目~16曲目までレビューしましたが、インストゥルメンタルが3曲もあり、前回とは全く異なる感じのレビューになりましたね。

何気に前回レビューした楽曲達に類似した雰囲気・曲調の曲はほとんどなく、どれも新鮮な気持ちで楽しみながら聴くことができました。

次回は17曲~25曲までレビューしていきます。一体、どんな曲が待ち受けているのか楽しみにしていただければと存じます。

今回はここまで!