Idée Capricieuses ~元イギリス大学日本担当官の気まぐれブログ~

元イギリス大学日本担当官のブログです。 イギリス留学やサセックス大学、大学のある街ブライトン、趣味であるHR/HMや留学中に体験した奇妙な経験など思いついたことを気まぐれのままに書いていくブログです。

コスパ最強!?サセックス大学100%オンラインコースについて

皆さん、こんにちは!

サセックス大学日本担当官です。

今日はサセックス大学で提供している100%オンラインコースについてお話していきたいと思います。

概要

サセックス大学では現在6つの修士コースと2つのPGCertの計8つのコースがあります。

※オンラインコースは修士のみで、学士コースをご希望の方は受講できません。

どのコースもサセックス大学のキャンパス内で行われる授業と内容は同じですが、100%オンラインコースでは専用のプラットフォームを使用しながら受講する形態になります。

文字通り、授業も課題も全てオンラインで行われるので、ビザを取得する必要はなく、自宅や職場などインターネットがつながる環境であればどこからでも授業に参加できます。

教えている先生はイギリス在住の方なので、開始時刻は基本的にイギリス時間を軸に授業が開始しますが、ほとんどの授業は録画されるので、時差の問題や個人のスケジュールの都合上授業に参加ができなくても、後からいつでも視聴できます。

(ディスカッションクラスはその場に参加しなければ、あまり意味はないですが・・・)

講義など予め録画されている動画には字幕も付いているので安心です!

所属している学生の割合は他国からの受講生が多く、お仕事と兼任で受講されている社会人の方々が比較的に多いといった印象です。

ちなみに、オンラインコース受講生もサセックス大学卒業式へ招待されます。任意参加にはなりますが、夏に行われる卒業式へ参加できます。

卒業式の前後にイギリス観光を楽しむ方もいますね。

ざっと簡単にオンラインコースの特徴をまとめてみましたので、次にオンラインコースのメリットについてお話していきたいと思います!

各コースの詳細等は下記公式ページにてご確認ください。

study-online.sussex.ac.uk

費用が超お得

オンラインコースの特徴についてですが、まず大きな点は100%オンラインコースゆえ、現地に行く必要がないことが挙げられます。

留学なのに現地に行く必要がないのはどうなのか?と思う方もいらっしゃると思いますが、イギリスに行かなくてもサセックス大学の授業・学位が取れるので、費用を大幅に削減することができます。

実際、ブライトンでサセックス大学の授業を受けると、航空券や寮費も含めて、少なくとも200万円くらいは生活費が必要だと思いますが、オンラインコースでは生活費をかなり抑えることができます。

※2022年10月現在、イギリス国内のインフレーションにより今後更なる生活費の高騰が懸念されています。上記費用は参考までにご利用ください。

現地の生活費に加えて、オンラインコースは授業料も現地で受講するコースのほぼ半分くらいなので、授業料+生活費の両方の観点から非常にコスパが良いですね。

同じSustainable Development MScコースの2023年向け入学に関して比較すると、オンキャンパスの授業料は£22,500(約380万円)となりますが、オンラインコースの授業料は£12200(約200万円)となっています。

※2023年向け入学にはInternational Business Master Awardと呼ばれる全留学生を対象にした奨学金があるので、実際にかかる費用は上記より少し減額されます。2024年以降もこの奨学金制度が続くかどうかは不明です。詳細については以下記事に記載していますので、本稿では割愛します。

kkm10m.hatenablog.com

授業料+生活費+その他費用を含むとトータルで年間約550~600万円くらいはかかる留学費用を200万円ほどに抑えられるのは破格です!

当校にかかわらず、授業料と言うものは単純に授業に関する費用だけでなく、大学設備費や維持費なども含まれているので、オンラインコースの費用の安さの理由はなるほどと言った感じですね。

ここまで授業料が違うと"オンラインコースの授業はどうなの?"と思う人もいらっしゃるかと存じますが、授業内容はサセックス大学のキャンパスで提供している内容と同じですし、取れる学位もどちらも同じです。

加えて、社会人限定の授業料割引が付いているのもオンラインコースならではです。こちらは授業料の10%が値引きされます。

留学生活や現地に行く事にこだわりがなく、授業・学位だけ取れれば良いという方であれば、オンラインコースは費用が圧倒的に安いのでおすすめです。

補足ですが、提出課題に相違があるコースもあります。

コースによって違ってきますが、例えば、オンキャンパスだとある卒業論文がオンラインコースだと不要となり、代わりにグループプロジェクトに取り組む課題などが挙げられます。

モジュールのカスタマイズ性

その次の特徴としては、コースモジュールのカスタマイズ性が挙げられるでしょう。

まず、100%オンラインコースの仕組みとしては、12個のモジュールで単位を獲得できれば卒業となります。

ただ、オンキャンパスと違い、合格しなければならない受講期間は1年ではなく、開始してから最短2年~最長4年の間に卒業条件を満たすことができれば、サセックス大学の学位が取得できます!

1つのモジュールは7週間の授業で構成されているので、もし一週間に1モジュールのみ授業を取った場合だと、卒業までに約21か月かかる計算になります。

もちろん、余裕がある方は複数のモジュールを同時に専攻できるので個人のスケジュール次第ですね。

※その時点で開講しているモジュールのみとなります。

加えて、これもオンラインコース特有の点なんですが、上記通りコース開始から4年目以内に全単位獲得・卒業できれば問題ないので、コースの途中でモジュールを取らないことも可能です。

これにより例えば、2023年3月からコース開始して2023年10月から2024年3月までの間は短期の休学、同年5月から再開すると言ったこともできます。

※一度開始したモジュールを途中で休学することは不可です。上記だと、2023年3月に開始して翌月4月に休学すると言ったケースは認められていません。希望者は各モジュールが開講する前に担当者へ申請する必要があります。

個人のスケジュールや都合にとても柔軟にカスタマイズできることがオンラインコースの魅力と言えるでしょう。

社会人の方の場合だと、仕事が繁忙期には休学、落ち着いてきた時に再開と言った事も可能ですので、人によってはかなり便利なシステムだと思います。

オンキャンパスでも一時休学は可能ですが、イギリス移民局に報告され、所有しているVisaは失効となります。学業を再開する場合、再度学生Visa申請を行う必要があるので、費用や手間を考慮するとあまり現実的ではないです。

出願時期の柔軟性

先程ご説明したモジュールのカスタマイズ性と似ていますが、オンラインコースでは年間6回入学する機会があるため、基本的にご自身の都合の良い時期での出願が可能です。

具体的に言うと、1月、3月、5月、7月、9月、10月に各コースのモジュールが開始します。

出願に関しては、上記開始時期の2週間ほど前くらいまで出願を受け付けていますので、通常のオンキャンパスでの授業と違い、早期出願を急ぐ必要はないです。仮に出願時期を逃してしまった場合でも、2か月後くらい待てばまた出願できますので、個人のペースや都合に柔軟に対応できます。

注意点としては、オンラインコースは受付時期に柔軟性がありますが、もしPre-sessional英語コース専攻を通して入学を希望される場合だと、Pre-sessional英語コースの出願に間に合わなければ次年度まで入学を待たなければいけません。

Pre-sessional英語コースは受講期間の長さによって出願受付が違うため、人によってオンラインコースへの出願スケジュールを見直す必要があるかもしれません。予めご留意ください。

Pre-sessional英語コースに関する概要・詳細は過去の記事をご参照ください。

kkm10m.hatenablog.com

ちなみに、オンラインコースの入学条件の一つである英語条件ですが、実はオンキャンパスより少し高めに設定されており、同じコースでもオンラインの方はIELTS Overall 6.5のスコアが必要になりますので、ご注意ください。

デメリット

ここまで色々メリットを挙げてきましたが、オンラインコースの難点もいくつかありますので、その辺りにも触れていきますね!

最初に挙げられる点は、学生との物理的な交流が無い事ですね。

受講生同士での交流会やコミュニティー、イベントはもちろん用意していますが、テキストやビデオ通話だけではどうしても壁を感じやすくなりがちかと思います。

物理的な壁に加えて、オンラインコースはその柔軟性の高さ故、受講生が度々入れ替わることもよくありますので、長時間かけて関係性を構築しづらいことも挙げられるでしょう。

自主学習が基本になっているため、基本的にお互い顔を合わせるのはディスカッションクラスやグループ課題の時くらいとなるでしょうし、オンキャンパスだとクラス内でよくある挨拶やちょっとした雑談、一緒にランチをする機会とかも完全オンラインだと作りづらい雰囲気です。

オンラインランチとかオンライン交流会とか好きな人はいいかもしれませんが・・・(個人的にオンライン交流会はあまり好きではないです 笑)

他者との交流に加えて、イギリスの日常を体験できない点も見逃せません。

留学と言うのは勉学だけでなく、外国で生活を送ったり、他の国の人たちと交流したり、知らない土地を探索、食文化を知るなど、日本にいると体験できない貴重な経験を得たり学ぶ事ができることが魅力なのですが、オンラインコースだと基本的に勉学と言う面しか体験できませんので、留学の楽しみがオンキャンパスに比べて劣ってしまうのは否定できません。目新しさとか刺激があまりなく、留学している感覚がイマイチ実感しにくいかと思います。

そして、これは仕方ないことなのですが、そもそも100%オンラインで提供しているコースの数が極めて少ないことも挙げられるでしょう。

最後に気になる点としては、授業の快適さや同級生とのコミュニケーションはインターネット環境に依存することでしょうか。

自身または相手のインターネット環境が良し悪しで、快適さは結構変わってくるかと思います。

どちらかの回線が悪いと、発言や発表中に途切れ途切れになって何を言っているのかわからなかったり、フリーズしてクラスから強制退出したりなど何かしらトラブルが発生する可能性はありますね。

まあ、インターネットに関しては改善できる余地はありますので、深刻に考える必要はないと思いますが念のため言及しておきました。

以上、オンラインコースを受講する上でのデメリットでした!

(他にもあるかもしれませんが、この記事を書いている時は思いつきませんでした)

100%オンラインコースには費用の安さやコースの柔軟性などオンキャンパスコースにはない独自の利点がありますので、どのポイントを優先すべきか各自のニーズや状況と照らし合わせて、ぜひ検討してみてください。

今週はここまで!