Idée Capricieuses ~元イギリス大学日本担当官の気まぐれブログ~

元イギリス大学日本担当官のブログです。 イギリス留学やサセックス大学、大学のある街ブライトン、趣味であるHR/HMや留学中に体験した奇妙な経験など思いついたことを気まぐれのままに書いていくブログです。

大学出願審査の基準~大学担当官から見た押さえておくべきポイント~

皆さん、こんにちは!

サセックス大学日本担当官です。

今日はサセックス大学への出願の際に気になる審査の基準についてお話していきたいと思います。

大学出願についての概要

これから留学を予定されている方で気になるのが、大学出願時の審査についてだと思います。

サセックス大学のみならず、どの大学でも審査には一定の最終学歴の成績が求められ、必要な成績(GPA)を満たしているのが基本条件となっています。

条件は大学によって様々ですが、サセックス大学の場合、求められる成績はGPA3.0以上の数値が求められています。

ただし、このGPA基準値はあくまでも基準であって、仮にこの基準値を満たなくても悲観する必要はありません。

審査と言うものは、GPAも含め、その他諸々の情報を考慮して合否の決断がされます。

GPA成績不足は条件を満たせていないので、確かに審査で不利に働くことはありますが、志望動機書やCV(職務経歴書)など他の書類で補うことは充分可能です。

出願に必要な書類や出願の流れに関しては、以前の記事にまとめていますので、こちらと併せてお読みください。

kkm10m.hatenablog.com

では、早速本題についてお話していきたいと思います!

学士(Undergraduate)

以前の記事でもお話しましたが、日本の高校生は基本的に学士(Undergraduate)に進学できないので、ここでは大学準備コース(International Foundation CourseおよびInternational Year One)に焦点を当ててお話していきます。

※直接入学可能な学生でご質問がございましたら、別途お問い合わせください。

大学準備コース進学に必要な成績は高等学校卒業時の成績70%以上が目安となっています。

GPA換算だと5段階評価中3.5、4段階評価だと4.0以上です。

学士の場合、GPAは審査基準の最も重要なポイントですので、出願時には満たしておくことを推奨します。

というのも、後述する修士(Master)と違い、CVや志望動機書などのその他書類を提出する必要はないので、審査判断の基準が基本的にGPAのみになるためです。

逆説的に言えば、GPA条件をちゃんとクリアしていれば、ほぼ確実に合格オファーをもらうことができるかと思います。

※上記はあくまでも審査段階の話であって、入学前に英語条件やその他条件を満たす必要があります。
※準備コースを通さず、直接大学へ進学する際は志望動機書は必要です。

修士(Master)

続いて、修士コース(Master)について触れていきたいと思います。

学士と違って、修士コースは合否における判断材料が複数あるのが特徴ですが、審査の際に一番重視されるポイントはやはりGPAです。

サセックス大学修士コースで求められているGPAは3.0以上となっています。

ただし、複数の判断材料があると記載した通り、GPAだけですべてが決まる訳ではなく、志望動機書やCV(職務経歴書)も考慮して、総合的に合否判定が下されます。

仮にGPAが3.0に届かなくても、合格されている方はたくさんいらっしゃります。多少の成績不足は他の項目で充分カバーできると言ってよいでしょう。

GPAの次に気を付けておくべきポイントは志望動機書です。

なぜサセックス大学なのか?なぜそのコースを学びたいのか?など進学する上でのモチベーションを語ることは審査の重要なポイントになります。

そして、3つ目のポイントとしてはCVが挙げられます。

一般的に、審査の判断材料としてはGPA、志望動機書よりも若干重要度は低いですが、コースによっては高いウェイトを占める場合もあります。

当然ですが、職務経験が必須条件として求められるコースは職務経験重視の傾向があります。

必須条件のない通常のコースだとCV提出は必須ではなく、あくまで任意での提出になります。

専攻コースと関連性のある職務経験をお持ちの方は、CVで大きくアピールすることができるでしょう。

仮に専攻コースと関連性の薄い職歴でも、自身の職務経験を専攻希望の分野を学びたいと思ったきっかけと関連付けれるのであれば、補足資料として提出しておいた方が良いでしょう。

この場合、志望動機書に自身のエピソードについて書くことを忘れないようにしましょう。

なお、推薦状に関してですが、合否判定におけるウェイトはあまり大きくありません。どちらかと言うと、形式的な書類の側面が強いですが、そもそも提出しないと審査が始まりません。出願の際は必ず用意しましょう。

博士(PhD)

最後に博士課程(PhD)についてですが、UG・Masterコース両方の成績が審査に影響します。

成績基準は、UG・Masterと同じくGPA3.0となっています。

博士課程の注意点はリサーチプロポーザルのアウトラインの提出が求められている点でしょうか。

アウトライン提出ができない場合、出願申請ができません。

他にも事前にリサーチトピックを決めたり、2名のSuperviserを見つける必要があるなど、出願前からいろいろ準備が必要になります。

※細かくなるので詳細は割愛します。

出願時のポイント

さて、ここまでは各学部の出願についてサラッとお話しましたが、ここでは前述したGPAや志望動機書についてもう少し詳しくお話していきたいと思います。

まず、どの学部でも求められるGPAですが、何度も申し上げたように必ず条件を満たさなければならないものではなく、あくまで審査の際の一定基準としてウェブサイトに記載されています。

実際、どのくらいまでが下限なのか?と疑問に思う方もいるかと思いますが、下限は存在してないので何とも言えません。公式ウェブに書かれている通り、その他要因も考慮しながら、総合的に判断するケースバイケースの審査ですからね。

ただ、個人的な意見になりますが、GPAは2.7くらいがギリギリの下限かと思います。

GPA2.7を切っていると、そのままの提出では正直厳しいと言わざるを得ません。

ちなみに、ここでの文言はあくまでその他情報を考慮せず、GPAのみを基準として見た場合です。

このスコアより下回っていても合格される方はいらっしゃりますが、職歴が直接専攻分野に関連していたり、職歴が間接的に大学が求める条件にリンクすることができたり、関連分野の資格を所有しているケースばかりです。

出願審査においては、いかにGPAが大きな比率を占めているかお分かりいただけたと思います。

続いて、志望動機書についてですが、書いていく上で重要なポイントは、なぜサセックス大学なのか?なぜその専攻コースなのか?などの動機付けが極めて大切になります。

感覚としては就職活動の面接の際の受け答えに近いです。面接での口頭による回答を文体で説明するイメージです。

"こういうことを勉強しました"や"こういうことを経験しました"などの自己アピールも補足情報として有用ですが、審査側が知りたいのはそういうことではなく、サセックス大学と専攻コースを選ぶ理由です。

自己アピールすると意外と忘れがちになるこの理由付けですが、志望動機書を書くときは注意しましょう。

各個人のバックグラウンド・経験・出来事などリアルな事象と動機を結びつけることができればより好印象ですね。

ちなみに、英語スコアの高い低いは審査に影響しますか?とご質問をいただくことはよくありますが、英語力は審査の合否に全く影響ありません。

IELTS 7.0以上をお持ちの方でもGPAを満たしていなかったり、志望動機書での動機付けがイマイチだったりすると普通に落とされますので、ご注意ください。

英語スコアを出さなくても、条件付き合格と言う合格をいただけることを見れば、英語スコアが審査に影響ないことは明らかです。

※条件付き合格とは、審査で合格を受領しているが、何らか追加で条件を解除する項目が存在する状態のこと。主に、英語スコアを満たせていなかったり、卒業証明書が未提出の場合などに付与される。

条件付き合格も合格なので、受領後は追加で提出が必要な書類や英語条件を満たすことができれば、全く問題ないですね。

英語条件解除にはIELTSのスコアが必要ですが、難しい場合はサセックス大学Pre-sessional英語コースを受講すると言う手段もあります。

Pre-sessional英語コースに関する詳細は、↓記事に記載してます。ご参考までに。

kkm10m.hatenablog.com

職歴の関連性うんぬんや専攻学部の関連性などは個人によって違うので、もし文章だとイマイチわかりづらいと言った場合は口頭でご説明しますので、気軽にお問い合わせください。

今週はここまで!