Idée Capricieuses ~元イギリス大学日本担当官の気まぐれブログ~

元イギリス大学日本担当官のブログです。 イギリス留学やサセックス大学、大学のある街ブライトン、趣味であるHR/HMや留学中に体験した奇妙な経験など思いついたことを気まぐれのままに書いていくブログです。

イギリス留学中のホームステイ事情~あまりおすすめしない理由~

皆さん、こんにちは!

サセックス大学日本担当官です。

今日はホームステイについてお話していきたいと思います。

留学生には人気のあるホームステイですが、正直なところ、大学側としてはあまりおすすめしていません。その理由について解説していきたいと思います。

ホームステイの魅力

ホームステイとは、外国人留学生などが大学寮や個人のお家ではなく、現地の一般の家庭に住みながら現地での生活などを体験する寄宿スタイルのひとつです。

ホームステイの魅力とは、ずばり現地の家庭で一緒に時間を過ごしながら、生活様式や文化、風習などをリアルに体験できることでしょう。

大学寮に住んでいると現地のイギリス人からイギリスの生活様式や文化を教えてもらう機会は意外と少ないものです。

実際、サセックス大学だと全学生の約3/1が留学生で占められていますし、現地のイギリス人学生が多くを占める学士コースはともかく、修士コース専攻生になると、クラス内でも現地の人間との交流よりも他国からの留学生との交流のほうが多くなるでしょう。

また、ホームステイだとイギリスの家庭料理を楽しんだりや休日の過ごし方など、イギリスに留学していても見えない文化や習慣も体験できるのは良い点ですね。

加えて、受け入れ先の家庭や場所によりますが、総合的な費用も大学寮に住むよりお安くなるケースもあります。

以上、ホームステイに関する魅力を簡単に紹介しましたが、正直なところ、サセックス大学International Officeではホームステイをあまりおすすめしていません・・・

その理由について、後述していきます!

おすすめしない理由その①~ホストファミリーとの関係性~

ホームステイをおすすめしない理由その①は、ホストファミリーとの関係性でしょう。

受け入れ先家庭の質は各家庭により大きく違います。

友好的で温かく向かい入れてくれる家庭もある一方で、最低限の会話しかせず、必要以上にかかわらない冷たい家庭もあります。

イメージしているホームステイと実際のホームステイ生活が乖離していることは結構あるみたいです。

オープンな家庭であれば、和気あいあいとした雰囲気の中で留学生活を楽しめるかと思いますが、逆のパターンだと家にいるのがつらくなると思います。

留学生活はただでさえ勉学や課題でストレスがたまりがちですが、日常生活もストレスになるのは精神的に堪えます。

併せて、大学寮で一緒に住むフラットメイトと違い、学友ではないので、ホストファミリーとの関係性に気を遣う必要もあるでしょう。

備品を使ってもいいか?いちいち確認したり、良い関係を保つため、時には相手からのお誘いを社交的にふるまわないといけなかったりなど、色々大変です。

寮生との生活の場合、キッチン以外で出会うことはほとんどないでしょうし、気分的に人と関わりたくないときは自室に居ればいいので、他人にそこまで気を遣う機会はあまりないかと思います。

また、自室に居れば一人の空間で過ごせる寮と違って、ホームステイだとほぼ常時人と一緒にいなければならない環境に身を置くことになるので、人によってはかなりキツイと思います。

常に人と一緒にいなければならない環境、私だったらマインドクラッシュされそうです・・・
出典: 遊☆戯☆王 ©高橋和希/集英社

一人の空間が欲しい方や他人に気を遣いがちな人にはホームステイ生活は厳しいと思います。

おすすめしない理由その②~家庭のルール~

その②は家によって、規則の違いがある点でしょう。

その①はホームステイ受け入れ先家庭との人間関係的なお話でしたが、こちらでは家庭内のルールについて触れていきます。

全ての家庭が違うように、各家庭でのルールも当然異なってきます。

例えば、門限があったり、消灯時間が決まっていたり、キッチン使用可能な時間が決められていたりなど様々ですね。

上記のようなルールがない・緩い家庭もある一方、厳しく守らなければいけない家庭もあります。

私の知り合いで1年間の修士コースを専攻していた日本人の方の場合だと、ホームステイで留学していたときは20時以降はキッチン使用が禁止・21時までに帰宅しなければならないなど、厳しいルールがあったと伺いました。

課題提出前は勉学で忙しいため、夜遅くまで図書館にこもり続けるような生活になるのですが、門限があると時間制限に拘束されるので、なかなか不便そうでした。

21時の門限だと、クラスメートとの外食やパブでの飲み会などにも参加が難しいことが多いので、留学中の他の学生との交流機会も制限されてしまいます。

また、受け入れ先でもあまり料理を提供してくれなかったみたいで、夜な夜な学内のカフェでデリバリーで頼んだサブウェイのサンドウィッチやケバブ、ピザを食べている姿には哀愁を感じましたね・・・

ハードの学業をこなすには体調管理が必要なので、上記のような不健康な生活を送り続けるのはよくありません。

自由気ままに生活を送りたい方にとっては、制限のある日常生活はなかなか辛いと思います。ホストファミリー内のルールや規則による制限がホームステイをおすすめしない理由No1と言っても過言ではないでしょう。

おすすめしない理由その③~トラブル時の対応~

最後の理由としては、ホームステイというものは大学が直接提供しているわけではないことです。

基本的にホームステイを提供している民間企業が仲介役として入っているシステムが多いです。

イギリスの大学はこれらの民間企業と提供して、学生にホームステイの滞在先を提供しており、受け入れ先の家庭はその民間企業に登録後、企業が学生を対象に紹介していると言った感じです。

ホストファミリーと直接契約している大学はごく少数だと思います。サセックス大学は直接契約を結んでいません。

ここで述べておきたいのはホームステイの契約を交わす場合、学生と斡旋している民間企業及び受け入れ先のホストファミリーとの契約になるため、大学は介入できないことです。

トラブルがあっても、基本的には学生と契約先の両者で解決していただく必要があります。

途中で部屋を変更したい場合も、大学側の寮は基本的に満員で空き部屋に割り当てられないケースがほとんどだと思います。そうなると、他のホストファミリーに変更するか、ご自身でPrivateのお家を契約するか、Facebookなどで度々募集している共同生活するためのフラットメイトを探している人たちにコンタクトを取って一緒に新しい家に引っ越しする、くらいしか選択肢は残されていないかと思います。

頻繁にトラブルが起こる事はそうそうないと思いますが、ホストファミリーと合わないから変更したいなどの要望もホストファミリー提供先と調整していただく必要があります。

自分で全て対処できる方だと問題ありませんが、一人で対処できるかどうか不安な方にはあまりおすすめできません。

ちなみに、Privateのお家を探す場合は、大学側も住居の探し方や不動産ルールなどのサポートを提供していますので、機会があれば利用してみると良いでしょう。

ホームステイか大学寮か?

ここまでホームステイをおすすめしない理由を書きましたが、ホストファミリーが過ごしやすい家庭であれば素晴らしいイギリスの生活を満喫できると思います。

追加でホームステイの良い点を挙げると、当然一般の家庭に居候する形になるので、大学寮に比べて、騒音関係のトラブルはかなり少ないと思います。

寮の場所にもよりますが、大学寮内の学生比率は18歳前後のエネルギッシュな方がほとんど・現地の人はパーティー文化が主流であるため、真夜中、早朝まで騒いでいる寮とかありますからね 笑

そういうのが苦手な人はホームステイだと安心だと思います。

良いホストファミリーに当たるかどうかの運次第ですが・・・

良くも悪くもイギリスでのリアルな生活を体験したい方にはホームステイはおすすめと言えるでしょう。

友達と夜遅くまで遊びたい方や規則に縛られず自由に過ごしたい方、一人の空間を大切にしたい方は素直に大学寮を選んだほうがよいです。

最終的に決めるのは個人の自由なので、ホームステイするな!と言うつもりは全くありませんが、ホームステイと大学寮で迷っている方は両方のメリット・デメリットをよく考えてから選びましょう。

今週はここまで。

次回もお楽しみに!