皆さん、こんにちは!
サセックス大学日本担当官です。
今日はイギリスの住宅についてお話していきたいと思います。
イギリスの住居
初めてイギリスに行かれる方にとっては、現地の住居はどんな感じなのか気になる人が大半だと思います。
ほとんどの留学生は最初の1年間は大学寮に住むかと思いますが、大学寮に住まずに自分で1人暮らし用のお家を探したり、家を借りるためにフラットメイトを探して一緒に住む人、ホームステイで住居に住む人、配偶者・家族と一緒に渡英する留学生など、様々な事情により一般住居に滞在する人も一定数いるでしょう。
そんな人たち向けにイギリスの住居に関する情報をまとめてみました。
まず、イギリスの住居には大きく分かれてStudioタイプとFlatタイプ、ハウスシェアの3種類あります。
Studioタイプは俗にいうワンルームでして、シャワー・トイレのみならず、キッチンも自室についているタイプです。
一方、※Flatタイプはシャワー・トイレは自室についていて、キッチンだけ他者と共有するタイプのお部屋が多いです。
※Flatタイプでもシャワー・トイレを他者と共有するお部屋もあります。
ちなみに、サセックス大学の多くの大学寮はFlatタイプです。
イギリスでの生活様式に関してですが、基本的に学生の場合、他の人たちと一つのフラットを共有して生活するスタイル(Flatタイプ)か一件をまるまる複数人で借りるハウスシェアが主流です。
お家にもよりますが、だいたい2~4名で共有しながら過ごすケースが多いでしょう。
その理由としては、まずイギリスの一人暮らし用のお部屋(Studio)は数がそもそも多くないことが挙げられます。
日本の場合、お一人様向けのワンルームはとても人気があり一人暮らしの主流となっていますが、イギリスではマイナーな部類です。
これは文化的に他者と一緒に住む′シェア′が社会に根付いているため、一人暮らしというスタイルがあまり馴染んでいないことが数が少ない理由の一つかと思います。
上記に加えて、Studioタイプのお部屋は総じて家賃が高額な点も見逃せません。
一人暮らしのお部屋が主流になれないのは、家賃の高さが大きく関係していると思います。
サセックス大学のある街ブライトンの場合だと、一か月の家賃が※10万円を下回る一人暮らし用物件を見つけることはほぼ不可です。
※このブログでは家具付き物件の金額のみ記載しています。これ以降表記している家賃額は全て家具付き物件の金額です。
学生限定の物件でも、ギリギリ家賃12万円程度で一人暮らし用のお部屋を借りれると言った感じですね。
学生以外の物件、いわゆる普通の部屋を借りるとなるともっと費用がかかります。
高額な家賃に加えて、※光熱水道費+インターネット費+生活費も請求されるため、経済的に余裕がある人しか一人暮らし(Studio)は厳しいです。
※これらの費用は既に家賃に含まれている物件の方が多いですが、含まれてない場所もあります。内覧・契約の際にご確認ください。
一人暮らしを希望する学生は留学生に多くみられますので、留学生の多いブライトンの街だとお手頃価格の優良住居は競争率がとても高いです。
気が付いたらすべて埋まってたり、家具無し物件や立地の悪い物件だけ残っていることもよくあります。
ただ、留学生が多いということは裏を返せば、流動性が比較的高いのでタイミングが良かったら、結構な空き物件が並んでいることもあります。ご参考までに。
いつも通り、前説が少し長くなりましたが、ここからはイギリスの一般住宅あるある(特徴)について説明していきます!
本稿で記載している金額などの情報は1つのウェブサイトを参照しており、ウェブサイトによっては情報が異なることもあります。予めご了承ください。
特徴① 間取りは大きい
最初に説明する特徴は間取りについてです。
一般的に、イギリスのお家は誰かと住むことが前提になっていることが多いため、お部屋・お家の間取りはなかなか広いです。
Flatタイプとハウスシェアだと、リビングルーム+各個人の部屋+キッチン+1~2つのバスルームがスタンダードとなります。その内各自の個室以外は他人と共有することになりますが、それらを考慮してもなかなか大きいですね。
一件丸ごと借りれる家(ハウスシェア)であれば地下室や2階が付いてきますので、縦の空間を利用する事により、更に広いスペースを使用可能になります。
キッチンが共有スペースとして設置されているので、キッチンが自室についてくるStudioより各お部屋の間取りが広めに設計されていることもポイントです。
ご家族と一緒に住まれるのであれば、ファミリー向けの小さなお家またはフラットを借りると良いでしょう。
Studioタイプに関してはピンキリです。めちゃくちゃ狭い部屋もありますし、そこそこ良いビジネスホテル並みの広さのお部屋もあります。
Studioタイプの間取りは家賃の金額によって左右されることが多い印象です。
ただし、ワンルームタイプでの広さということなので、あくまでホテルの一室のような広さであり、アパートメント的な広さではないのでご留意ください。
また、経済的に余裕があるのであれば、£1200(約20万円)以上のお部屋を選んでみると良いです。
※この金額帯になってくると、競争率は下がるに加えて、掲示されている物件数も多めなので住居探しの選択肢が圧倒的広がると思います。
※学生限定のお家が対象です。それ以外で家を探す場合はかなり物件が絞られてきます。
どのお家も内装がモダンかつお洒落な感じで綺麗に整っており、快適な生活が送れると思います。
特徴② 建物が古い
特徴その②としてはイギリスの住居は全体的に非常に古い建物が多いことが挙げられます。
イギリスだと築100年越えはよくあることですし、物件によっては17世紀くらいから現在に至るまで未だに現役で使用されている物件もたくさんあります。
多くの建物は改修・修繕を繰り返して使用されており、結構年季が入っています。特に外装はとても伝統的な雰囲気が漂っています。
内装に関しては以外と綺麗な場所も多く、築100年以上の建物でもそんなに古さは感じません。
中世的な建物は魅力的に感じられるでしょう。
家賃の高い物件はかなりモダンな内装になっています。この傾向はStudioタイプに多く見られます。
Flatタイプとハウスシェアは金額が高くても、古い感じが残っている物件が比較的多いです。
まあ、伝統的・歴史的と言えば聞こえはいいですが、批判的に言うと大半のお家はボロいです。
壁は薄いので、近隣住民の声が結構聞こえてくる物件が多いです。叫び声や会話が結構聞こえます 笑
防音機能はほぼ皆無に等しいので、隣人の騒音など気にする人であれば辛いと思います。
大学寮のような自室が隣人と密着しているタイプのお部屋であれば壁越しで繋がっているので、隣人が騒がしい人だった場合、苦労するかもしれませんね。
一方、一軒家タイプを友人とハウスシェアして過ごす方であれば、隣人と壁越しで繋がっているわけではないので、隣人の騒音はあまり聞こえてこないかと思います。
近所の人たちが爆音で音楽をかけたり、集団のパーティを開催するのであれば例外ですが・・・
そして、内装は綺麗なんですけど、壁のところどころにヒビが入っている家があります。
ただのひび割れ程度であれば気になりませんが、問題はこのヒビから外の冷気+風が入り込んでくるところです。
個人的な体験談になりますが、隙間から風が部屋に入り込んできたので冬場は結構寒かったです。部屋の窓の隙間からも凍える風が侵入してきます。
そのため、寒がりの人はヒーターをフルパワーで作動しつつ、とにかく服を着こむようにしましょう。
補足ですが、イギリスにおける大半の住宅では床暖房とか断熱剤入り壁・窓などは付いていません。
もっとも、現地の人たちは冬場でも半袖シャツで歩き回っている人たちが多く、耐寒性が我々と違うので不要なのかもしれないですね。
特徴③ シェアすれば比較的安い
その次の特徴はお値段です。
冒頭で家賃が高いとお話しましたが、他人と家またはフラットをシェアする生活スタイルであれば比較的お手頃な値段でお家を借りることができるかと思います。
例えば、一か月の家賃が50万円のお家だと、6人で住めば1人当たりの負担額は約8万円で済みます。
※光熱費や水道費、インターネット代が別の支払いになっても、3人で分割すれば、一人でこれらの支払いを負担しなければならない一人暮らしの生活よりもコスパは良いでしょう。
※これらの費用は最初から家賃に含まれている物件も多くあります。
ブライトンに関してですが、学生限定の物件であれば、Flatタイプやシェアハウスはだいたい1ヶ月の家賃£700(約11万円)辺りから物件の数が少しずつ多くなる傾向がありますので、他の人と一緒に住む場合は目安にしてみると良いでしょう。
条件が付かない一般向けのお家だと、最低£800(約13万円)くらいから検索した方がよいです。これ以下になるとそもそも検索に引っかからないケースも多いと思います。ブライトンの街中で£800以下の住居で見つけれたらラッキーです。
なお、家具無しの物件だともう少し安い場所もあるかと思いますが、留学生が家具無し物件を借りるメリットはほぼ無いに等しいので割愛します。
なお、ブライトンにこだわらないのであれば、結構安いお家は見つかると思いますが、車が無いと行き来できないお家や街からめちゃくちゃ離れている家、周りに何もないお家など、何かしら不便なお家が多いので、留学生にとってはあまり魅力的ではないですね。ほとんどの人が避けるような場所かと思います。
Studioタイプについては、シェア不可の1人暮らし専用となっていますのでこの項目で特にいう事はないですね。
2023年4月6日にRight moveと呼ばれる不動産ウェブサイトで確認したところ、Studioタイプの家賃の最低額は£800(約13万円)でした。
£800の価格帯はStudioタイプであればかなりお手頃価格ですが、非常に人気があるため早い者勝ちで埋まってしまうことがよくあります。
そのため、もしブライトン街中のStudioタイプを探している方で運よくこの価格帯のお家を見つけた場合は、早めに不動産会社へ問い合わせした方が良いでしょう。
£1000(約17万円)以上からは空き物件をチラホラ見かけると言った感じです。
特徴④ IH式が多い
特徴④はイギリスの住居はIH製品が多いです。ガス製品はあまり見かけないですね。
普段、ガスを使用されている方には理解いただけるかと思いますが、コンロがIHの場合、十分に温まるまで時間がかかるので、料理にはちょっと不向きなんですよね~
ガスを使用しないためか、水の温度調節機能である給湯器も完全IHです。
電気で冷水を温水に変換し、貯めたお湯を建物の住人とシェア?または自分の貯水槽分?ある程度の期間貯蔵しておく仕組みのようです。大体の家が①温水の貯蔵→②使用→③減った分を再チャージ、みたいな感じになっています。
ガスと比べると明らかに火力不足のようで、お家によってはシャワーを浴びていたら温水が切れてしまい、突然冷水に切り替わることがあります! 私も今までに何度か経験してます 笑
シャンプーを洗い落とす前に冷水になったら絶望です。そのままバスルームを出ていくこともできず、震えながら冷水で髪の毛を洗った事は何度かあります。
また、とあるお家に泊っていた時には、シャワーを浴びてる最中に約10秒の間隔で温水と冷水が交互に入れ替わると言う珍事にも遭遇したことがあります 笑
温度を最大限に上げても効果がなかったので、恐らく、貯水槽のお湯がほとんど残っておらず、10秒くらいで少しだけ貯まった温水を直後に放出したため、冷水に切り替わったのだと思います。
対処方法として、水が暖かくなり始めたら素早く洗って、冷たくなってきたらシャワーから距離を置くと言ったことを繰り返してました 笑
特徴⑤ 設備が脆弱
最後に挙げる特徴としては、イギリスの住居は脆弱な部分が多いです。
1年程度でも住んでいる間に設備が故障することも多々あります。
自分の場合、シャワーが完全にぶっ壊れたこともありますね。温水・冷水が切り替わる問題と言う話とはまた別でして、完全に冷水しかでなくなりました。
特徴②でお話した通り、イギリスの住居は古い家を改修して使用し続ける文化なので、経年劣化による故障は仕方ないことですが、対応がとても遅いです。
壊れたシャワーの件だと、自分は不動産会社に連絡してから修理業者が家に来てくれるまで10日ほど待たされましたね。
その間は当然シャワーは使えないので、台所で頭と顔を洗ったり、ボディーシートで体を拭いて耐え凌いでいました。
冷水しかでなくなったとは言え、一応水は出たのですが、さすがに気温6℃くらいの環境で冷水シャワーは個人的には無理でした・・・
大学寮であれば、万が一設備が壊れた場合でも、大学寮を管理している部署に相談、自分でお家を借りている時は大家や不動産会社に連絡する必要があります。
ちなみに、シャワーに関しては水圧が弱いものも多いです。
まとめ
以上、イギリスの一般住宅の特徴についてまとめてみました!
ぶっちゃけ、家賃が高ければ高いほど設備が充実しているのは当たり前の話ですが、中間層(9万~12万円)くらいになるとそこまで大差はなさそうというのが個人的な意見です。
他の人と共有するタイプの住居であれば、比較的安価で借りることができる機会も多そうです。しかし、共同生活は住む人間の感覚が合わないと辛いので、一長一短と言えるでしょう。
過去の私のように、価値観の合わない人間との共同生活になったら地獄ですからね。
筆者が体験した最悪の共同生活エピソードは↓からご覧いただけます。
Studioでの一人暮らしは自分で好きなように生活できるのでかなり過ごしやすいのですが、金額的に手が出しづらいと思います。
費用の観点からみると、間違いなく大学寮への滞在が一番コスパは良いのは事実です。
それに、ご自身で家を借りるとなると、物件の内見が必要だったり、保証会社への登録、契約書内容確認など、めんどくさい手続きも多いです。
なので、基本は留学1年目の学生には入寮保証が付いている大学寮を強くおすすめします。
ただ、どうしてもキャンパス外での生活を希望される方や自分で滞在先を決めたい方、諸々の事情により大学寮に住めない方はブライトンに住むのではなく、ブライトンから離れた街EastbourneやLewesのお家を探してみるのも一考でしょう。
Eastbourneはブライトンに比べて、家賃相場はそこまで高くなく、比較的低めの金額設定でもお家を見つけやすいです。
加えて、サセックス大学から距離がある為か留学生からもそこまで人気のある立地ではないので、自分の条件に合った物件を探しやすいです。距離があると言っても、田舎ではなく普通に発展した街なので、ショッピングモールや交通機関も整っており日常生活も過ごしやすいと思います。
ただし、Eastbourneに住むと、サセックス大学への通学まで片道約1時間はかかりますし、通学のための電車代も必要になってきます。電車代も片道2000円程度と安くはないので、悩ましいところです。
一方、Lewesはブライトンにかなり近く、閑静な住宅街です。しかし、ブライトンへのアクセスの良さから、人気が高いのでEastbourneほど家賃相場は低くないと思いますが、ブライトン市内に比べて安めの場所が多いので、選択肢に入れても良いと思います。
他にもブライトン近辺には小さい街がいくつかあるので、ご自身で調べてみると良いでしょう。
最後に豆知識ですが、最近は大家の方々は長期賃貸よりもAirbnbなどの短期民泊にシフト+民間企業による学生寮の増築の影響で需要の低下などを理由に、学生向け長期一般物件の数は以前より少し減っているみたいです。
知り合いからのお話になりますが、昨今では上記トレンドに則って、Airbnbで直接オーナーに連絡して長期滞在分の賃料を一括払いで完了させて留学中の滞在場所を確保する人もいるとか。
どうしても不動産屋でお家が見つけることができない場合はこのような方法も試してみてはいかがでしょうか?
色々とお話して長くなってしまいましたが、少しでも参考になれば幸いです!
では、また次回をお楽しみに!