皆さん、こんにちは!
サセックス大学日本担当官です。
今日は留学先で言葉の壁によるコミュニケーションで悩んでいらっしゃる方に向けた記事を書いていきたいと思います。
英語があまり得意でない方や初めて海外で長期滞在される方は、現地でクラスメートや教授、ハウスメート達と仲良くなれるのかなど、留学中の人間関係でお悩みになる方もいらっしゃると思います。
私自身、初めて留学した際はうまく英語が話せなかったので、そのようなお悩みは痛いくらい理解できます。
この記事ではそんな悩みを抱えている人々へ少しでも不安を和らげることができればと思います。
趣味を武器にする
ブログ記事タイトルには、ロック/ヘヴィメタルと書いてありますが、私の場合はロック/ヘヴィメタルがコミュニケーションツールとして非常に役に立ったからであって、ようは趣味を持っていれば、世界中の人たちと交友関係を築くことは実はそう難しいことでありません。
音楽以外にも、映画・旅行・読書・アニメ・スポーツ・ゲームなど色々ありますが、それらを好む方は人種や国籍、性別、年齢問わず、世界中にいます。
上記のような趣味はある種の世界の共通言語として認識されており、例え、自分または相手が言語的に上手く会話ができなくても、会話のきっかけになり得ます。
また、そういう会話を通じて、自分の知らなかったことや別の視点での解釈などを共有することで、相手との絆を深めることができますし、それが自分の趣味対する新たな学びにもなります。
普段の何気ない生活をしていれば話す機会がないであろう人たちとも、趣味を通してお話することもできるので、年齢・性別など超えて幅広い人たちと交流することができます。
総じて、趣味とはコミュニケーションツールとして非常に有用なものですので、英語力で悩んでおり留学先で周囲とうまく馴染めない方などは趣味をきっかけに交友の輪を広げてみるのも良いでしょう。
趣味は共通言語
さて、前述で趣味は共通言語と言いましたが、具体的にイメージできない方もいらっしゃるかと思いますので、ここで簡単に説明します。
なぜ私が趣味は共通言語と述べたかと言いますと、趣味で使われている固有名詞は基本的に世界共通なので、多少言語の壁があっても相手に問題なく伝わることです。
例を挙げるならば、Deep PurpleやLed Zeppelinなどバンドの名前、Dragon Ball ZやOne Pieceなどの漫画・アニメの名前、Star WarsやHarry Potterなど映画の名前、Manchester UnitedやChelsea FCなどサッカーチームの名前、Call of DutyやFinal Fantasyなどのゲームの名前等、趣味には世界共通の固有名詞がたくさんあります。
漫画・アニメ・映画は邦題と英訳版で違うケースもあります。そんな時は英訳の名前を検索すれば良いでしょう
固有名詞を多用する雑談は言語能力に差がある話者同士のコミュニケーションが取りやすくなります。
また、趣味に関する話だと相手もそれに関する共通の知識を持っているため会話を弾ませやすく、相手から返ってくる言葉も自分の知っている単語・言葉が多いので会話の内容が理解しやすいのも良い点です。
交友関係を築くためのきっかけ作りとして、これほど簡単で楽しい方法はありません。
具体例
私も自分の趣味であるロック/ヘヴィメタル通じて、イギリスへ留学していた4年間にも世界中の様々な人たちと繋がりました。
留学し始めた当初は英語で会話することが私にとってハードルが高かったので、言語の壁を乗り越えることは大変なことでした。
そんな時、私を救ってくれたのがロック/ヘヴィメタルでした。
片言の英語でもアーティスト・バンド・曲の名前を挙げながら、「あの曲いいよね」「あのギターソロいいよね」とか本当に他愛もない会話なのですが、流暢に喋る事ができなくてもお互いに話が通じ合えることに感動しました。
日本国内で私の趣味である70~80年代ロック/ヘヴィメタルは当時の自分と同世代(20代前半)の方々とはお話しできなかったのですが、イギリスに留学していた時に出会った人々とはこの話題で熱く語ることができ、本当に心の支えになりました。
ロック/ヘヴィメタルを通じて、イギリス人の同級生はもちろん、
- Ozzy OsbourneとかMagnumの話題で意気投合した大学の教授達
- 学士時代のクラスメートである世界各国の留学生たち
- ルームメイトのメキシコ人とバーレーン人
- 留学中に知り合ったレバノン人に紹介してもらったMotorheadやJudas Priest、Megadethが好きなメタラーレバノン人
- 空港の手荷物検査場で働くアルバニア人のおじさんや空港の出入国検査場にいるノルウェー人のお兄さん
- ロックバーのスウェーデン人マスターとバーで知り合ったLGBTQのベネズエラ人
- ロックTシャツを着ていたら道端で突然話かけてきたブライトンに住むイギリス人のおっちゃん
- 旅先で知り合ったコソボ人女子、レストランで働くブルガリア人のお兄さん、スペインでCD屋を経営しているスペイン人のおっちゃん、フィンランドのホテルで働いているスタッフetc
- 私がYngwie MalmsteenのTシャツを着ていた時、アルバニアの空港で働く手荷物検査場のおっちゃんが英語をほとんど話せないにもかかわらず、話しかけてきて曲のメロディーや曲名だけで会話したこと。
- ノルウェーの空港での入国審査場で「Manowarのライブを見るために来た」と審査官に伝えたら、パスポートにスタンプをもらった後に「Manowarのライブは音がでかいから耳栓ちゃんと持っていきなよ」と言われたこと。
※Manowarは少し前までギネス記録で世界一音がうるさいバンドとして認定されていたくらいライブでは爆音を鳴らすバンド - HelloweenのメタルTシャツを着たままブルガリアでレストランに行ったとき、店員がメタル好きだったみたいで料理を運んできた際に突然「Helloweenの好きな曲はA Tale That wasn't Rightだよ」と話しかけられたこと。なるほど~と思いつつ、その後はひたすらロック/メタルについて語ったこと
- クリスマス期間にフィンランドに行ったとき、ほとんどのお店が閉まっていたのでホテルで適当に時間を過ごしていたところ、ホテルの受付のお兄さんが話かけてくれ、音楽トークで暇を潰してくれたこと。フィンランドは未だにメタルの人気が根強く残っている国なので音楽談話がしやすい国です。
数え切れないほどの人たちと出会うことができました。
サセックス大学International Officeの私の同僚であるイギリス人の方もロックが好きで、週のミーティングを始める前にSoundgardenがどうのこうのとか、最近Iron Maidenのベーシストのエフェクターを買ったんだよとか、音楽の雑談をよくします。お互い趣味が似通っているおかげで、ただの同僚以上の関係性を築くことができました。
(彼はどちらかと言うとグランジ・ニューメタル派ですけど・・・)
年齢層・性別も幅広く、10~20代の若者から60代以上の年配の方とも同じ話題で談笑しました。
18歳くらいだったウクライナやドイツ、ナミビアなど他の国から来た留学生の女の子達とScorpionsやAC/DC、Rainbow、Accept、Black Sabbathについてお話しできたことは個人的にかなり衝撃的でした。これらは1970年代のバンドですし、日本で言う女子高生みたいな女の子たちがそれらのバンドの曲を知ってるんですからね~
日本のアーティストで例えると、現代の女子高生が矢沢永吉やBOWWOW、はっぴいえんどの曲知っている感じです。
もちろん、出会った全員がロック/ヘヴィメタルに詳しいわけではないですが、EuropeのThe Final CountdownやAC/DCのHighway to Hellくらいであれば、外国人の方はほぼ全員知っているような有名曲なので、これをきっかけに仲良くなった方もいます。学生の集まるカラオケパーティーとかハウスパーティーとかで流せば盛り上がりますよ!
イギリス国外で印象的だった経験は
など、旅の思い出としてとても印象的でした。(嘘みたいな話ですけど、全て実話ですよ!)
個人によって好みの違いはあれど、共通の話題で熱くディスカッションするのはとても楽しいことで、嗜好の違いはむしろ会話を弾ませてくれるいい起爆剤になりましたね。
Ozzy Osbourne時代のBlack Sabbathが好きなイギリス人クラスメートに「Ronnie James DIO在籍以降のBlack Sabbathもいいぞ」とおすすめしたりとか、逆に相手からおすすめしてもらったバンドを聴いて「この前聴いてみたんだけどいいね!」とか、こんな感じに共通の話題があれば会話は無限に広がっていきます。
また、別のクラスメートからは「KazukiってDio好きだよね?Tenacious Dっていうバンドをフィーチャーした映画"Pick of Destiney"にDioが出てるんだけど、今度家で一緒に観ようぜ」とかドイツ人留学生からは「この前言っていた※ロックバーに連れてってよ」とか相手からいろいろお誘いを受けることもあり、会話だけでなく、こういったアクティビティを通じても絆を深めていきました。
※ブライトンにはThe Pipelineと呼ばれるロックバーがあります。
www.thepipelinebrighton.co.uk20歳くらいの人がこんな提案をしてくれるのですから、やっぱりイギリス(ヨーロッパ)は最高です 笑
こういった経験を通じて、私はロック/ヘヴィメタル(音楽)には人種、国籍、性別、年齢、言語の違いに壁や境界線はなく、一つの共通の意思で構成された素晴らしい世界があるのだと確信しました。
趣味を通じて出会った人たちとの会話は未だに鮮明な記憶として残っており、留学中の大切な思い出となりました。
まとめ
ざっと述べたように、音楽に限らず、趣味と言うのはコミュニケーションツールとして非常に役に立つので、ぜひ皆さんも留学した時は交流の輪を広げるためにぜひ活用していただきたいですね。
個人的な意見ではありますが、趣味を通じて出会った人たちは大学卒業後も疎遠になりにくいのかなと思います。
私の場合だと、たまに連絡を取れば「久しぶり!最近何聴いているの?」で始まり、その後は自然とヒートアップしていきますからね 笑
サセックス大学には180以上のサークルやコミュニティーが活動しており、集まる人はみな共通の趣味や分野で構成されるので、自分の興味のあるグループを見つけて入会するのも良いでしょう。
また、"Meet Up"と呼ばれるアプリを使えば、趣味に関するコミュニティーや飲み会みたいなグループなど様々な人と交流できる機会を見つけることができると思うので、こちらも利用してみてはいかがでしょうか。
今週はここまで。
ではまた次回!